
発注者支援業務に興味はあるけれど、どんなソフトウェアやツールを使うの?
発注者支援業務に興味はあるけれど、どんなソフトウェアやツールを使うのかイメージできず不安はありませんか。
土木作業員や現場監督として現場を中心に働いてきた方、あるいはパソコン作業がほぼ未経験という方でも、デスクワーク主体の「発注者支援業務」へ転職するチャンスは十分にあります。
実際にはどんな仕事内容なのか、国土交通省が推奨するDX施策で何が変わるのか、必要なパソコンスキルはどの程度か…。
本記事では、以下の疑問を解消して「未経験からでも始めやすい」具体的なポイントを紹介します。
この記事で解決できる悩み
- 発注者支援業務で使う主要ソフトやツールとは?
- CADや積算ソフトは本当に必要?
- DX施策により仕事はどう変わるのか?
- 土木作業員から異業種転職で成功するコツは?
- 将来性や働きやすさはどうなのか?
これらを押さえることで、スムーズにキャリアチェンジを進めるヒントが見つかります。
未経験OK!発注者支援業務とは何かとその魅力を解説


ここでは、発注者支援業務の具体的な仕事の内容や、未経験から異業種転職でも始めやすい理由を解説します。
発注者支援業務とは、国土交通省や地方自治体など「発注者」が行う公共工事を、資料作成や積算、施工管理の補助といった面から支える仕事です。
施工現場で重労働を行うのではなく、事務的・技術的サポートをする立場なので、パソコン作業が多くなります。
「業務委託」という形で携わるケースが多く、具体的には以下のような業務があります。
- 入札関連の支援:入札書類の作成・チェック、入札条件設定、入札結果の分析など
- 設計・計画の補助:設計図や施工計画の整合性を確認し、予算やスケジュールを管理
- 施工管理のサポート:現場監督が行う品質・安全管理の資料作成、進捗管理の補助
- 用地補償の交渉補助:公共工事に必要な土地確保のため、地権者との交渉に関連する書類サポート
- 電子納品や文書整理:完成図書など電子化資料の納品や文書管理システムでのファイル整理
未経験でも取り組みやすい理由
発注者支援業務で使うソフトやツールの使用頻度と重要度


ここでは、具体的に発注者支援業務では、どんなソフトウェアやツールを使うのか、その頻度と重要度を紹介します。
未経験者や異業種転職を考える方の中には「ソフトの名前は聞いたことあるけれど、実際に何をするのか分からない…」という不安があるかもしれません。
下記のグラフを見れば、利用目的や使用頻度をイメージしやすくなります。
※とっても個人的な偏見含みます



簡単に覚えられるものほど、頻度は高いよ!



チームでやるから、全部をやれなくて大丈夫!
CADソフトは本当に必須?
CADソフト(AutoCAD、Civil 3Dなど)は、図面を扱う業務で重宝されます。
ただし、配属先の課や工事内容によってはほとんど使わないこともあるため、「CAD使えます!」とアピールしても、実際にはExcel中心の業務に回る場合もあります。



年配が多い部署ではCADができる人が少なく、軽微な修正や寸法確認ができるだけでも助かるケースが多々あります。
積算ソフトで現場経験を活かす
積算ソフトは、土木工事にかかるコストを算出するためのシステムです。
「実際に何人工かかるか」「使用する材料はどのくらい必要か」といった感覚を知っている土木作業員出身者ほど、ソフトを使った積算の理解が早い傾向があります。
異業種転職であっても、現場感覚を数値化できるのは大きな強みです。



現場に0.5のバックホーが50台?多くね?みたいな感じ!
国交省が推奨するDX施策で変わる発注者支援業務の将来性


ここでは、国土交通省が進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)施策の具体例と、発注者支援業務の将来性を解説します。
公共工事の世界では、紙ベースの書類作成や現場での立ち会いが当たり前でした。
しかし、「土木工事電子書類スリム化ガイド」などを通じて、国交省はデジタル化を推奨しています。
具体的には、以下のような施策があります。
- ASPによる書類管理
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)を利用し、工事書類を一元管理します。これにより、紙での大量書類整理が大幅に省力化されます。 - オンラインでの打ち合わせや遠隔臨場
遠隔臨場システムを使えば、現場に行かなくてもリアルタイムで施工の状況を確認し、時間やコストを削減できます。 - 電子データでの届出や検査
休日・夜間作業の届出から工事検査までオンラインで完結させる仕組みが広がっており、意思決定がスピードアップしています。 - BIM/CIMの原則適用
3Dモデルを活用するBIM/CIMの取り組みが拡大しており、施工計画や設計をより立体的に可視化できます。
DX施策によるメリットと将来性
- 残業や移動時間の削減:データが電子化されることで、探し物や移動にかかる時間を大幅に減らせます。
- 情報の共有と管理が簡単:担当者間でリアルタイムに情報を確認し、ミスを防ぎやすくなります。
- 働き方改革への対応:リモートワークやフレキシブル勤務も導入しやすくなるため、「ホワイト」な労働環境に近づきます。
- 人材需要の高まり:少子高齢化で人手不足が続く中、ITスキルやDX施策に対応できる技術者はさらに求められます。
結果として、発注者支援業務は今後も公共工事を支える重要なポジションとして、安定した需要と将来性を持つことが見込まれています。
デジタル化に必要なスキルとCAD・積算ソフトの習得ポイント


ここでは、DX時代の発注者支援業務を担ううえで必要なスキルや、CAD・積算ソフトを習得する際のポイントを紹介します。
必要なデジタルスキル
- 基本的なITリテラシー
ソフトウェアのインストールやセキュリティ対策など、PC全般の知識があるとスムーズです。 - CADソフトの操作
AutoCADやCivil 3Dなど、図面を扱う際に役立ちます。3Dモデル(BIM/CIM)に対応できると、さらに強みになります。 - データ分析・管理スキル
Excelで関数を使いこなしたり、プロジェクト管理ツールを使った進捗管理ができると効率が上がります。 - オンラインコミュニケーション能力
遠隔臨場やオンライン会議の活用が増えるため、プレゼン資料の作り方やリモートでの情報共有が重要です。
CADや積算ソフトを学ぶコツ
まとめ~未経験から発注者支援業務へ転職を考えるあなたへ


発注者支援業務は、土木作業員や現場監督出身の方がその経験を活かしやすい仕事であり、未経験でも十分に挑戦可能です。
なぜなら、施工の流れや工事内容の知識があるだけで、積算や書類作成時に大いに役立つからです。
「CADや積算ソフトが扱える」「国土交通省が進めるDX施策にも対応できる」人材は、将来性の高いポジションを手にする可能性があります。
ソフト名/ツール名 | 目的・特徴 | 使用頻度(★5段階) | 重要度(★5段階) | 利用される場面 |
---|---|---|---|---|
Excel | 数量計算や集計、工程表の作成、グラフ作成など | ★★★★★ | ★★★★★ | 積算計算、予算管理、日報や月報の集計など |
Word (一太郎含む) | 文書作成、報告書・契約書・会議資料の作成 | ★★~★★★ | ★★★★ | 協議資料、説明資料、発注関連の文書作成など |
PowerPoint | 会議・プレゼン用の資料作成、図解 | ★★~★★★ | ★★★★ | 工事概要・工程の説明、提案資料のビジュアル化など |
CAD (AutoCAD、Civil 3D等) | 図面の修正・確認、施工図や詳細図の作成 | ★★~★★★ | ★★★★ | 橋梁、道路、河川工事などの詳細図面が必要な場面 |
積算ソフト | 工事費の見積もり、資材・人件費の算出 | ★★~★★★ | ★★★★★ | 国土交通省などの公共工事における見積もり |
電子納品ツール | 電子データでの書類納品、ファイル整理 | ★★~★★★ | ★★★ | 成果品や申請書類を電子的に提出する際 |
文書管理ソフト | 大量の契約書や図面データのバージョン管理・検索 | ★★ | ★★★ | プロジェクトが増えるほど紛失防止や検索性向上に必須 |
今後はさらに公共工事のデジタル化が進み、ASPによる書類管理や遠隔臨場など、効率的な仕組みがスタンダードになっていくでしょう。
「きつい」現場作業を卒業し、ホワイトな職場環境で安定的に働きたい方は、ぜひ発注者支援業務を検討してみてください。
もしこの記事が役に立ったと感じたら、ぜひブックマークしておき、必要なときに読み返して活用してください。
ほかの記事も参考にしながら、より具体的な転職ノウハウやスキルアップの方法をチェックしてみましょう。
あなたのキャリアチェンジが成功し、発注者支援業務の世界で大きく活躍できることを願っています。
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